世話人の方々

埼玉リプロダクションフォーラムに参加して

この度、林雅敏教授は埼玉リプロダクションフォーラムをたちあげられた。
会の名称をフォーラムとされたのは会の運営を演者側の一方的な講演という形式より、演者側と聴講側との相互のディスカッションを重視されての事と思われる。その昔,医聖ヒポクラテスとその弟子たちがお互いに議論しながら内容を深めていった様子が彷彿とされる。一般の講演会では経験できない小人数のセミナー形式を想定されての事であろう。埼玉とされたのは大きな枠組みではなく、限られた埼玉県内でのローカルな医療圏内を対象としていると聞いている。埼玉県産婦人科医会では既に石原教授の主宰されるホルモンと生殖医学研究会があり、専門的な内容で運営されている。今回の対象は内分泌学や不妊症を専門とする医師ばかりではなく、専門領域にこだわらない一般産婦人科医や開業医師の医学知識や、技術水準の向上を目標とされている。卒後長期間経ち、最新の内分泌学や高度の不妊症治療技術のトレーニングを受けていない、中高年の勤務医や開業医師が、臆する事なくこういった医療前線にふれ合う事のできる貴重な場を提供しようという構想である。一般的な産婦人科開業医の立場である私に参画を依頼されたのはこういった事情を踏まえての事だろうと理解している。一般産婦人科開業医の実態や医療レベル,又、開業医レベルに於けるニーズを的確に捉え、役員の皆様にお伝えしたい。的を得,時宜を得たフォーラムの運営を心掛けたいものである。出来得るならば参加者の明日からの診療に直接,反映していける内容を目指して企画の充実に寄与して行きたい。

木野産婦人科医院
木野 秀郷



リプロダクションフォーラムに寄せて

地域医療ネットワークの中で、患者さんを紹介したりする場合に、送る側と送られる側でその基準が違うことがしばしばあります。患者さんを戸惑わすことになるし、送られる側の先生もお困りになると思います。そのため、いつも送る側にある開業医の自分は、近隣の先生のお考えやご意見にいつも敏感でありたいと思っております。今回のフォーラムでは、地域で活躍する開業医が、古代ローマの集会場(フォーラム)に集まって、地域での問題を解決したり、コンセンサスを形成したりする場になると聞いております。日常臨床で頻回に遭遇するようなこと、たとえばクロミッドの使い方、超音波の見方など、通常の学会や研究会ではなかなか議論にならないことなどを、集会場(フォーラム)に持ち寄って討論できればと思います。地域の先生方のご意見やご教示により、明日の地域医療に貢献できればと考えております。

田口産婦人科内科
田口 誠



埼玉リプロダクションフォーラム開催にあたって

古代ローマ時代の公共の広場では、多くの人たちが思い思いの話題を持ち寄り、自由に談笑または議論をしていたそうです。それは、日常の取るに足らない出来事についてであったり、また、政治や学問、芸術についての話題であったり、いずれにしても人々はこの社交の時間を大いに享受しておりました。こういった社交の時間は適度の緊張を保ちつつも、労働の要求する固い時間割からは解放され、まさに公的な形式をそなえた私的空間でもありました。友人仲間を囲い込むために閉じられていると同時に新しい第三者を受け入れるために開かれているという、実に粋な時空間であると思います。
一方、近年の医学の進歩には目覚しいものがございます。しかしながら、一般の開業医にとってはそれらについて語り合う機会はほとんどなく、ましてや新たな情報を分かりやすく入手するということにいたっては比較的困難であることが常であります。
今回、林雅敏教授のご発案による「埼玉リプロダクションフォーラム」の開催についてお聞きしたときには、小生は、まさにそのような古代ローマの知的かつ穏やかな社交の場が復活したかのように思えて大変感銘を受けました。このフォーラムを通して、多くの先生方と交流できますことを幸いに存じております。

大和たまごクリニック
星本 和倫



さいたまリプロダクションフォーラム発足に向けて

近年、生殖現象について基礎的、臨床的な研究が進み、不妊治療、特に体外受精に関する知見が次々と得られ、多くの難治性不妊症の患者さんの治療が成功しています。その一方、多胎妊娠、卵巣過剰刺激症候群の発生の問題、また生命倫理に関する事項などの問題点があります。また、我々医療従事者も日進月歩の最新の医療技術に精通する必要があります。研究、技術的進歩をお互いに学び、各施設の課題を議論し、前進するために、さいたまリプロダクションフォーラムが発足しました。
昨今の女性の高学歴化や積極的な社会進出により,晩婚化傾向あるいは挙児希望年齢の上昇をもたらしています。女性の妊孕性は年齢とともに低下し,高齢女性の不妊症発生率も若年女性に比較して増加するといわれています。これらより、比較的高齢の夫婦が不妊症の治療を受けるケースが増加し,通常の不妊治療に加えて,加齢が妊孕性に及ぼす影響も考慮した対応が求められています。また、若年女性においても食生活の変化、不規則な生活、現代社会のストレスなどが生殖機能に影響し、月経不順や不妊に陥っていると思われるケースが見られます。不妊を主訴として来院された患者さんの診察を行う過程で様々な合併症や問題点がわかり、“不妊治療をこのまま行ってよいのか??”という疑問も日常多々あると思われます。
不妊治療に加えて、合併症や各患者さんの持つ問題点も考慮した議論も行い、お互い進歩したいと考えています。

獨協医科大学越谷病院産科婦人科講師
浜田 佳伸



ごあいさつ

 日頃より先生方には、格別のご高配にあずかり、ありがたく厚くお礼申し上げます。
 さて、このたびは第1回 埼玉リプロダクションフォーラムをお手伝いする機会を賜り、心から感謝申し上げます。わたくしたちは、女性の痛みや障害の改善、克服に役立つ医薬品を通じて女性医療に貢献したい、という想いを大切にして、特にこれからは生殖医療におけるご期待にもっと応えたいと願っております。
 近年は、ご専門の先生方のご功績とご尽力はもとより、生殖補助技術の急速な進歩も伴って、不妊症の診断と治療は大きな革新を遂げてきております。埼玉リプロダクションフォーラムを通じて、生殖医学、医療のご専門の医師をはじめ、胚培養士、看護師、コーディネーター、カウンセラーなどの多くの医療チームが、将来の方向性を見据えながらも、up-to-dateな情報や知識、基礎的、臨床的研究、新しい技術、患者様の声などの共有や連携をはかり、当フォーラムが生殖医療の更なる発展に向けての貴重な場となることを期待しております。
 わたくしたちは、今後とも有用性や信頼性の高い医薬品をお届けすること通じて、生殖医療を中心に女性の生涯にわたる健康サポートを目指した取組みを通して、みなさまのお役に立つべく努力してまいりたいと存じます。何とぞご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
 最後になりましたが、当フォーラムにおいて、子宮内膜症に伴う月経困難症治療薬 「ルナベル配合錠」の紹介の場を賜り、厚くお礼申し上げます。

富士製薬工業株式会社
代表取締役社長
今井 博文